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R8年熊本地震:地震活動度の統計処理の論文

  • 3 日前
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更新日:2 日前

Changes in Seismicity Pattern Due to the 2016 Kumamoto Earthquakes Identify a Highly Stressed Area on the Hinagu Fault Zone (2016年熊本地震による地震活動度の変化を統計処理手法によって、日奈久断層帯における高・歪み領域を特定する) 』という タイトルの論文が、7年前の2019年8月13日にGeophysical Research Letters(GRL)に掲載されました。

当GRLは、地球科学および宇宙科学の分野における速報型の国際・科学学術誌です。米国地球物理学連合(AGU)によって発行されており、短く簡潔で、影響力の高い革新的な論文を多数掲載しています。 

2026(R8)年7月28日、熊本県で震度7(Mw7.1)を観測する地震は、まさに、日奈久断層帯の

この『 応力(歪み)が高く、増加している領域 』で発生しました。 ★ NotebookLM(Ai)による 動画解説→→→

● 熊本で震度7

2026年7月28日、熊本県で震度7を観測する地震が発生しました(マグニチュード7.1)。 震度7は、2016年4月の熊本地震に続くものでした。2016年の熊本地震では、4月14日にマグニチュード6.5の地震(のちにこれが前震)が発生し、16日にマグニチュード7.3の地震(のちにこれが本震)が発生しました。

14日の地震は日奈久断層の北端部で発生し、16日の地震は布田川断層で発生しました。静岡県立大学、中部大学およびDuMA/CSOの所属する東海大学のグループは、2019年9月5日、熊本県庁で「2016年熊本地震後の日奈久断層帯を監視する手法を開発~研究者による監視強化と地元での防災意識の啓発を~」と題する記者会見を実施しておりました。

 この記者会見は、地球物理学分野では世界最高レベルの学術誌である “Geophysical Research Letters誌”の論文の結果を紹介するものでした。

著者: K. Z. Nanjo, J. Izutsu, Y. Orihara, M. Kamogawa, T. Nagao

論⽂タイトル: Changes in seismicity pattern due to the 2016 Kumamoto earthquakes identify a highly stressed

area on the Hinagu fault zone

掲載誌: Geophysical Research Letters

DOI: 10.1029/2019GL083463


論文の主旨は地震活動を統計処理することで、 日奈久断層帯にかかっている力の状態を推定することに成功し、近い将来に大地震が発生する可能性の高い地点を予測するものでした。上の図は、2019年の記者会見で配布しました図に2026年7月28日の震源を書き加えたものです。

2026年7月28日の地震はまさに、応力が高く、歪が増加している領域で発生していました。具体的には、熊本地震後に活発になった余震活動が時間とともに低調になるが、地下の応⼒の推移により平均的な余震の減り⽅からずれることに着⽬し、余震の減り⽅を⽰すパラメータ「p 値」の平均からのずれの分布を調べました。その結果、日奈久断層中央部では応⼒は⾼く増加しているという結果がえられました。(図 でp ~ 1, 灰⾊の線分)。ここが近い将来の大地震の震源地となる可能性が高い事を指摘していました。

● 2026年8月3日時点の地震活動解析

 次にお示しするのは、2026年7月27日から8月3日16時までの地震活動です(防災科学技術研究所の最新データを使用)。ここでは観測されたすべての地震をプロットしています。


次の図は気象庁による8月2日までのマグニチュード2以上のすべての地震を図示したものです。

次にお示しする図は、一つ前のA-Bの測線に沿って切り出した、地震発生の時間変化です。横軸は日付となっています。

● 2026年28日以降、余震はどのように発生しているか?

地震活動(特に余震活動)を最もよく説明するモデルに ETAS モデルというものがあります。このモデルは現在の地震学で最も信頼されている地震活動度のモデルで、国際的にも気象庁でも採用されている解析手法です。特にここでお示しするように余震についての活動の解析で世界標準となっているモデルです。

 ETAS モデルの説明は https://www.duma.co.jp/basic

の中ほどに記載してあります。あわせてご覧ください。

 余震活動の減衰については、この ETAS モデルによる理論的な減衰曲線と、実際の地震活動度を比較することで、今後の地震活動の予測につなげています。

 現在、理論減衰カーブの上側に実際の地震活動がプロットされています。これは、どうやら日奈久断層の南西側での地震活動が寄与しているようです。

●2026年7月28日の地震が発生したことにより、どこに歪がたまっているか?

 下の図は断層活動による応力変化(歪の変化)を表した図で、赤で示された地域が7月28日の地震でさらに歪が蓄積した地域です(東海大学海洋学部・原田 靖 博士提供)。

ここでお示ししているのは、地震の ΔCFF(クーロン応力変化量)というものです。大地震などの地殻変動によって周辺の活断層に加わる力の変化を表し、断層のすべりやすさや、地震の起きやすさの変化を定量的に示す指標となっています。

 青色の地域は逆に歪が緩和された地域となっています。

 熊本市街地は基本的に歪が解放されており、今後大きな地震が発生する可能性は過去の経験則によれば、かなり小さいと考えられます。

 それに対し、布田川断層の南西延長方向は、赤色の領域が広がっている事がわかります。


 
 
 

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