難 解・地 震 学 者 の 確 率 論 ~ 首 都 圏 直 下 型  > M 7  大 地 震

 

 首都圏直下型地震の確率が増大?! 『M7級首都直下地震、4年以内に70%の確率で発生する』…

東大地震研発表(2012年1月*)というニュースの解説を DuMAではニュースレターでは過去3回解説いたしました。 一般人には 地震学者の言う 地震の確率論は難解で分かりづらいです。

難解地震です。過去のDuMAのニュースレターの解説をもう一度アップデートし、因数分解して説明しなおしてみました。(*2016年1月で2012年1月の発表から4年がたちまちた!)

■  グーテンベルク=リヒターの法則 ? って何?

まず 以下は 【2012年1月24日のDuMA ニュースレター】からです。。。。

 首都圏直下型地震の確率が増大?!

 M7級首都直下地震、4年内70%…東大地震研というニュースが2012年1月23目に流れました。

このニュースの意味を解説したいと思います。

マグニチュード(M)7級の首都直下地震が『今後4年以内に約70%の確率で発生する』という試算を、東京大学地震研究所の研究チームがまとめた。

東日本大震災によって首都圏で地震活動が活発になっている状況を踏まえて算出した。

首都直下を含む南関東の地震の発生確率を「30年以内に70%程度」としている政府の地震調査研究推進本部の評価に比べ、切迫性の高い予測だ。

昨年3月11日の東日本大震災をきっかけに、首都圏では地震活動が活発化

気象庁の観測によると12月までにM3~6の地震が平均で1日当たり1・48回発生しており、震災前の約5倍に上っている。

同研究所の平田直(なおし)教授らは、この地震活動に着目。

マグニチュードが1上がるごとに、地震の発生頻度が10分の1になるという地震学の経験則を活用し、今後起こりうるM7の発生確率を計算した。

■  地 震 学 者 の 確 率 論 の 因 数 分 解

 
 

 結論として、上記の記事は「首都圏直下型地震はいつおきてもおかしくありません」という意味以上はありません。

なんらかの観測データが異常を示しているというものではありません。

  地震というものは、どれくらいの大きさの地震がどの程度の類発生するかという「マグニチュードと地震発生数の関係」に極めて強い規則性が存在します。

これをグーテンベルグ・リヒターの関係式といいます(G-R則)。(図1)

リヒターはマグニチュード(M)の定義を最初に示した研究者でもあります。

 G-R則を簡単に説明しますと、たとえばM=5の地震が1個発生すると、M4は10個、M3は1 0 0個というように発生するような関係が普遍的に成り立つのです。

 3.11以降、上記の記事にあるように首都圈での地震発生類が急増しています。(図2)

もし単純に地震発生類が震災前の5倍になったのであれば、30年 ÷5 = 6年 となり『30年以内に70%』が『6年以内に70%』となります。

4年以内に70%』というのは、もう少し別に複雑な 統計的処理を加えたのだと思います。

 換言すれば、このペースで比較的小さな地震が発生し続けると

「4年ぐらいでM7クラスの地震が発生しないと(M7クラスの大きな)

地震の数が足りなくなる」と言っているのです。

 いずれにせよ、今回の発表とは関係なく「首都圏直下型地震」

というものは(3.11の前から)いつ発生してもおかしくない状況は

何も変わりません。 

 発表に惑わされず、しっかりとした地震防災・減災対策をお願い致します。

図1
図2
首都圏の地震は約9倍ふえています

一般の方々から 『何が分からないかが、分からない』と言われます。 上記のニュースレターの解説を図解して、”因数分解”すると図3aになります。

  " M7クラスの首都圏直下型地震は, 3.11の前から、3.11の後も、いつ起こってもおかしくない状況・状態は変わらないのに 地震学者が、地震の発生確率を30年以内に70%程度から、3.11後、首都圏の小さい地震が増えたからといって、地震の発生確率を4年以内に70%程度と、確率が”増大したように思います。 どういう”カラクリ”でこうなったのか? 30年以内でも、4年以内でも 確率は同じ70% ? これって 確率は増大したといえるか?

何だか、何が何だか? 何かヘンなんだけど、何が分からないか、分からなくなります。

 ここで DuMAニュースレターで説明した、”カラクリ”をもう一度図解で説明してみましょう。

説明しやすいように 図3a図3bのように、ちょっとだけ読み替えてみます。

 30年以内に70%を--> 40年以内に70%

     4年以内に70%を--> 5年以内に70%

  小さい地震が9倍増えたを-->8増えた

に読み替えて、『妻の買い物』の例えで説明いたします。

私の妻は、週に1回、または1年間に渋谷へ60回買い物に行きます。(図4a)

銀座へは月に1回=年12回、 香港へは1年1回 、ハワイへは4年に1回、パリには8年に1回買い物に行っています。

 25歳の妻は今後40年以内で70%の確率で、スペースシャトルに乗って 月(Moon) に買い物に行ける可能性があると言っています。

 ある年に妻が渋谷へ8倍の頻度で買い物の出かけに行った(1年に480回(X8倍)とすると、銀座へは年96回、香港 へは年8回、ハワイへは年2回、” 同じ一定の比率で” 買い物に行っていることになります。

 つまり渋谷への買い物 = 小地震、ハワイ・パリでの買い物 = 中地震と すると 、この比率は常に一定なのです(グーテンベルグ・リヒター則のこと)。

 渋谷へ480回行った場合は,今後40年間で(1回)70%の確率でスペースシャトルに乗って月に買い物に行くという可能性は、今後40年で8回に上がると いう事になります。

 70%の確率で月(Moon) への買い物のは "40年で8回" = "5年で1回"の可能性になります。  妻が1年に8倍(480回)の頻度で渋谷へ買い物に行けば(小さい地震が8倍に増えれば)、妻が70%の確率で 月(Moon)にスペースシャトルに乗って買い物に行く可能性は 40年に1回から5年に1回になります。

図3a
図3b

■  妻 の 買 い 物

図4a
 妻の買い物回数は地震の発生回数、渋谷→銀座→香港→ハワイ→パリ→月(Moon)は、マグニチュードの大きさを表しています。
 妻の買い物回数表(図4b)に、日本で起こった地震13年間(2000 年から2012年)をMのクラスごとに分けて 13年分を40年分に換算し、かつ その40年分をM7=1とした比率が(図4b)に示しました。 妻の買い物40年間分に近似しているのが分かります。
 私の妻の渋谷への買い物が8倍の頻度で増えたら、
グーテンベルグ・リヒター則に従えば、今後40年間で(1回)70%の確率でスペースシャトルに乗って月(Moon)に買い物に行くという可能性は、今後5年以内に70%の確率でスペースシャトルに乗って月(Moon)への買い物の可能性に変わります。    これが ”カラクリ” なのです。
図4b

 「M7クラスの首都圏直下型地震」は(3.11の前から)いつ発生してもおかしくない状況は、*2016年1月で2012年1月の『4年以内に70%の確率で発生する』…(東大地震研)という発表から4年が経過しても、私の妻が、かぐや姫と月(Moon)に兎を買いに行ったとしても、いつ発生するか分からない状況は変わりません。 しっかりとした地震防災・減災対策をお願い致します。

 首都圏の大半の方の地震防災・減災対策、避難・帰宅対策は、3.11の時の経験を基に立てられていると思いますが、注意しないといけないのは、首都圏から遠く離れたところで起こった地震(3.11)と直下型地震では 地震のパターン、被害のパターンが違うということです。

 関東大震災の時は、死者・行方不明者約10万5千人のうち約9割の9万人が焼死しました。

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9万人の焼死のうち41%にあたる3万8千人が、本所被服廠(軍服をつくる工場)の、たった260mX260mの大きさの1ヶ所の避難所で焼死※)しています。(約4万人が避難してきて、そのうち95%の人が焼死: 本所被服廠惨事 ) (※焼死とは事故や火事などで焼け死ぬことをいう。広義には、一酸化炭素中毒や煙等によって窒息死したのち死体が焼けてしまうことも焼死といわれる。本所被服廠の焼死は高温のガスや炎を吸い込み呼吸器を損傷したことでの窒息死が多く見られた。)関東大震災の時の火炎旋風火炎合流輻射熱延焼なども充分想定にいれて対策を打つべきです。

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