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 海 域 の 地 震 の 震 源 地 は ど う や っ て 特 定 す る か ?

海域の震源地の特定

◆ 海 域 の 地 震 の 数 と 陸 域 の 地 震 の 数

   図3は 世界の地震がどこで発生しているかを表したものです。(1950年~2015年で >M4以上)。 この地震の分布を見れば  日本の領土・領海全域が地震の赤い点で覆い尽くされているのが分かります。

   図4は世界のプレートのマッピングです。世界の地震はプレートの形と近似していることからプレートの境目で起こっているのが分かります。

世界の地震マップ

​図3

世界のプレートマップ

​図4

  図5は 過去215年(1800~2015)の>6.5以上の日本の大地震のマッピングです。  

  図3の世界の地震のマッピングでは、日本の領土・領海全域が地震の赤い点で覆い尽くされていて分かりませんでしたが、海域の地震と陸域の地震の比率は、日本周辺で見てみますと図5の範囲では陸地内部:110個、海域地震:412個で、約8割(79%)が海域の地震です。

海域と陸域の地震の数
海域と陸域の地震

​図5a

日本の地震マップ

​図5

過去215年(1800~2015)の>6.5以上の日本の大地震では  

約8割(79%)が海域の地震です。

(陸地内部:110個、海域地震:412個)

◆  海 域 の 地 震 の 震 源 地 の 特 定

   地震が起こってからの、数分で気象庁が震源地の特定をします。海の下の地殻深くでも、陸の上にある地震計で震源地の推定がされます。
  20XX年に熊野灘の南海トラフの海域のどこかで大地震が起こったとした時、陸上の地震計観測点で震源地から到達した地震波が観測されます。(図10)
 陸上の地震波観測地点を、A:潮岬、B:志摩、C:御前崎としたとき,震源地から地殻を通じて地震波が、観測地点、A:潮岬、B:志摩、C:御前崎で測定されます。(図11)

海の下の震源の特定(1)

​図10

海の下の震源の特定(2)

​図11

  地震波は「P波」,「S波」と呼ばれている,縦波が1番目(Primary)にやってきて,横波は2番目(Secondary)に到着します。 地表付近ではP波速度が5km/sec前後,S波速度は3km/sec前後、地殻ではP波は8km/秒、S波は4km秒で伝わります。観測点においてP波が到着してからS波が遅れてやってくるまでの時間を S-P時間と呼び、震源からの距離r に比例します。地震の震源地の推定には、P波とS波の速度の違いを利用します。地殻中をP波は8km/秒、S波は4km秒で伝わるので、震源からの距離が遠くなればなるほど、P波到達からS波到達までの時間が長くなります。速度差と時間差が分かっているので、震源までの距離rが求められます。 

海の下の震源の特定(3)

​図14

海の下の震源の特定(1)

​図13

震源の距離と時間

​図12

1つの観測地点だけでは、その地点から半径rの球面のどこかに震源がある、ということしかわかりませんが、3つの観測地点それぞれからの距離がわかれば、3つの球面の交点として震源が求められます。図13のTop Viewや図14のSide Viewには 便宜上 平面の円で描かれていますが、実際は図15にあるように平面の円の半径rではなく、立体の半・球体の半径rです。 図16(海保の海底図に加工)にあるような 3つの半球の交差するところが震源と特定され、その真上の海上面が震央になります。 地震波は地殻を通して震源から直線的(実際には光学のスネルの法則と同じ法則です。直線より円弧というような形になります)に到達しますが、後で推定された(逆解析=インバージョン)震央は、(北緯?°、東経?°) と表現され、震央の真下、深さ?Km(震源の深さ)と表現されます。(図17:3.11のケース)

海の下の震源の特定(4)

​図15

海の下の震源の特定(3)3D

​図16

 震源地や震央は X印などで表現されます。 これは誤解が生じやすく 岩盤が破壊されたり、プレートの固着面がはがれたりするのはではなく、ある面積をもったです。 震源は破壊の始まりのポイントで、"海溝付近"の地震は『 面 』の破壊(震源域)です。  図17は3.11の震源と震源域の断面図です。震源域が幅約200km、長さ約500kmとプレートの固着面がはがれ、破壊された面積が巨大だったことが分かります。

3.11震源の断面

​図17

※)各図表の出典が、他のWebから引用したものはリンクをはっています。
​  Googl Earth 使用、加工。

■  地 震 波 の ス ピ ー ド は ど れ く ら い 速 い か ? ! !

地震波のスピード

  地震波の「P波」,「S波」は、 地表付近ではP波速度が5km/sec前後,S波速度は3km/sec前後、地殻ではP波は7~8km/秒、S波は4km秒で伝わります。これらの地震波がどれくらい早いか 比べたものが、図18です。
 地殻のP波を7Km/秒とすると、時速25,000km/時です。これはマッハ21の速さで、東京=新大阪間を79秒で到達する速さです。 光通信の光ファイバー内の信号の速度は光速の2/3倍(光ファイバーの屈折率1.5)で、時速720,000,000Km/時、東京=新大阪間を0.003秒で信号は到達します。 この地震波と光通信の速さの差を利用したものが、緊急地震速報です。
 地球上に住んでいる我々は、1日24時間で自転する地球の上に乗っかって生活しています。そのスピードは時速1,670km/時でマッハ1.5程です。また1年365日で太陽の回りを1周する平均軌道スピードは、更に速く 時速107,229km/時、マッハ90のスピードの超光速メリーゴーランドに乗っていますが、我々は重力のお陰で船酔いもせず、振り落とされもぜず生活出来ています。 
/sec前後,S波速度は3km/sec前後、地殻ではP波は7~8km/秒、S波は4km秒で伝わります。これらの地震波がどれくらい早いか 比べたものが、図18です。

s,p地震波の速さ比較
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