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ニュースレターバックナンバー 2017

◆ 2018年

次回の無料最新は4月1日の予定(=1月7日まぐまぐ2019年第1号)次次回は4月8日(=1月14日まぐまぐ2019年第2号)の予定

 

  • 12月24日にまぐまぐでDuMANewsLetter第47号発刊されました。(号外)
● 来週12月31日は第5月曜日のため、休刊となります。新年は1月7日号からとなります。
● インドネシアで津波<速報>: 
インドネシアで火山噴火による海底地すべりで津波被害が出てしまいました。クラカタウは1883年にも極めて大規模な噴火を起こしている火山です。
1883年の噴火では噴煙の高さが70~80 Kmにまで達したと言われており、桁違いに大きな噴火で、島そのものが吹き飛んだと言われており、死者も3万5千人以上と報告されています。
 津波は地震だけでなく、今回のような海底地すべりや、山体崩壊でも発生します。日本で有名なのは、1792年に発生した、雲仙岳、眉山の崩壊により有明海に発生した津波で、1万5千人を超える死者をだしています。この事件は「島原大変肥後迷惑」と呼ばれるようになりました。
● 首都圏の地震活動の特徴: 
首都圏はこれまでも繰り返し述べていますが、太平洋プレートとフィリピン海プレートという2つのプレートが沈み込むその真上に位置しており、世界でも有数の複雑な地殻構造の地域となっています。そのため世界でも最も地震災害によるリスクが高いと判断されています。今週は首都圏ではどの程度の地震が発生しているのか、深さ別の図を作ってみました。首都圏では、16年間でなんと9万個以上のマグニチュード2以上の地震が発生していたのです。
● 首都圏の地下天気図® : 11月19日のニュースレターに引き続き、今週は12月20日時点の首都圏の地下天気図®をお示しします。首都圏では、非常に深い所まで地震が発生していますので、通常の地下天気図®では地下0kmの深さ(つまり地表面)で計算を行っていますが、首都圏では、深さ20kmですとか、60kmという深さを基準として計算を行っています。これはより深い部分で発生する地震をより重要視(計算の重みが大きいと表現します)するためです。
 今回は深さ20kmで計算したMタイプの地下天気図®です。
  • 12月17日にまぐまぐでDuMANewsLetter第46号発刊されました。
● 近畿地方で続いている静穏化に関する一考察: 今週のニュースレターは、文章が多く読みにくいかと推察致します。ぜひ最後までお読み頂ければと思います。DuMAでは、「地震活動静穏化」と呼ばれる現象を中期的(数年から数ヶ月程度)の大地震の前兆現象として用いており、それを可視化したものが「地下天気図®」です。地震の前兆がなぜ地震活動の活発化ではなく静穏化なのかについては、いくつかの説がありますが、今回は静穏化を説明する一つの仮説に基づき、近畿地方の静穏化の今後について考えてみたいと思います。
 今回はこれまで継続的に報告させて頂いた大阪を含む近畿地方全域に広がっていた地震活動静穏化にを解釈する新しい「仮説」を紹介しています。学術的な表現が多いのですが、お付き合い頂ければ幸いです。
● 日本およびその周辺の広域地下天気図® : 11月12日のニュースレターに引き続き、現在の気象庁の観測網で解析できる最大範囲の領域の解析です。
  • 12月10日にまぐまぐでDuMANewsLetter第45号発刊されました。
● 焼岳の続々報 : 11月23日から長野県と岐阜県境界に位置する焼岳周辺で群発地震活動が始まった事をお伝えしました。そしてこの場所の活動は収束に向かった事は先週のニュースレターでもお伝えしましたが、12月4日夕方から、今度は焼岳の東側で群発地震活動が開始しました。これは位置も違い、11月23日からの群発地震活動とは全く別の新しい活動である事がわかりました。
● 紀伊水道での「ゆっくり地震」: 
2018年8月13日のニュースレターで「紀伊半島沖で奇妙な地殻変動が観測されています」と報告させて頂きました。この変動は海上保安庁の海底地殻変動観測で明らかとなったもので、2017年暮ごろから明瞭となり、最も南部の海底観測点の水平地殻変動は20cmにも達していました。気象庁の解析で、すでにマグニチュード6.6に相当する地震(体に感ずる揺れをださない「ゆっくり地震」)が発生していた事が公表されました。
 DuMAでは大阪北部地震の前から近畿地方で地震活動静穏化現象が近畿地方および紀伊半島で発生していた事を報告しておりましたが、この「ゆっくり地震」が開始した時期が丁度この地震活動静穏化が発生した時期とほぼ同じ時期となっており、静穏化との関係解明が今後の課題となります。
● 中部・近畿・中国・四国地方の地下天気図® : 11月5日のニュースレターに引き続き、中部地方以西の地下天気図解析です。この地下天気図®解析では、過去18年間という長期の地震データを用いています。
 
  • 12月3日にまぐまぐでDuMANewsLetter第44号発刊されました。
● 焼岳の続報 : 11月23日18時過ぎから、長野県と岐阜県にまたがる北アルプスの焼岳で火山性地震が急増した事を報告させて頂きましたが、活動は現在収束に向かっています。山体の膨張も観測されておらず、現時点で噴火の可能性は極めて小さいと考えられています。
● 11月の地震活動概観: 2018年11月の地震活動で最も顕著だったのは5日に国後島近くで発生したマグニチュード6.3の地震でした。11月にマグニチュード5を超える地震は10個発生しました。小笠原や硫黄島近海でそのうちの4個が発生しており、少しこの地域の地震活動が活発であったと言えると思います。
● 日本列島陸域の地下天気図® : 10月22日のニュースレターに引き続き、日本列島陸域に特化した地下天気図®解析を行ないました。
 
  • 11月26日にまぐまぐでDuMANewsLetter第43号発刊されました。
● 焼岳や北海道でも火山活動が活発化: 11月23日18時過ぎから、長野県と岐阜県にまたがる北アルプスの焼岳で火山性地震が急増しています。ちなみに23日には2千回以上の地震が観測されました。そのため、気象庁は山頂付近では火山ガスの噴出などに注意する必要があると呼び掛けています。  焼岳は北アルプス唯一の活火山で、これまでにも何度も水蒸気噴火が発生しており、1915年(大正4年)6月6日の大爆発では、泥流が梓川をせき止めて、大正池が形成された事はご存知の方も多い事と思います。
  また北海道でも十勝岳で火山性微動が観測されたり、雄阿寒岳でも噴火警戒レベルが2に引き上げられました。

東北地方海域の地下天気図® : 10月15日のニュースレターに引き続き、東北地方沖合の海域に特化した解析です。
  • 11月19日にまぐまぐでDuMANewsLetter第42号発刊されました。
九州および南西諸島北部(大隅諸島・トカラ列島)での火山活動が活発化: 11月14日、鹿児島県の桜島で、久しぶりに大きな噴火がありました。夜間に噴火したため、見事な火山雷も撮影されています。それ以外にも、鹿児島県南方沖の諏訪之瀬島で9日未明に爆発的噴火が発生しました。この噴火では、大きな噴石が弾道を描いて飛散する様子も確認されています。  また今週は、九州から南西諸島北部の活火山についても解説を行っています。
首都圏の地下天気図® : 10月5日のニュースレターに引き続き、11月15日時点の首都圏の地下天気図をお示しします。今週は2枚のMタイプの地下天気図®を掲載しますが、Lタイプもほとんど同じパターンを示しています。 実は通常お見せしている地下天気図®は、深さ0 km(つまり地表)における地下天気図®です。これはプレートの沈み込みに関係する地震以外は、ほとんどの地震が深さ30kmより浅い所で発生しているためです。そしてこれがいわゆる直下型地震というもので、大きな被害を生む事が多いためです。 ところが、首都圏はフィリピン海プレートと太平洋プレートという2つのプレートが沈み込んでおり、世界でも有数の複雑な地下構造の場所と言えるのです。そのため、首都圏では、比較的深い所(深さ40kmとか、60kmというような深さです)で地震が発生します。  そこで首都圏のみ、解析(計算)を行なう深さを深さ20kmと60kmという2つの深さで行っています。
  • 11月12日にまぐまぐでDuMANewsLetter第41号発刊されました。
先週号(11月5日号)で、紀伊水道で発生した地震を「66年ぶり」と記載いたしましたが、「56年ぶり」の間違いでした。pdfファイルはすでに訂正させて頂きました。
紀伊半島沖(紀伊水道)の地震の続報: 先週号のニュースレターで、紀伊半島沖の地震が極めて珍しいものであった事を報告させて頂きましたが、11月7日に気象庁がこの活動についての資料を公表しました。 また10月7日には、愛知県東部でマグニチュード5.0の地震も発生しています。これらは、西南日本で観測される“深部低周波微動”という現象に関係して発生していた可能性が高いようです。 この深部低周波微動が発見された歴史などは今後詳しく解説して参ります。これは理論的な考察から、深部低周波微動が“本番の”南海トラフ巨大地震の前には発生間隔が短くなり(=発生頻度が高くなる事を意味する)、巨大地震が発生すると考えられているという事があるためです。
日本およびその周辺の広域地下天気図® : 今週は10月1日のニュースレターに引き続き現在の気象庁の観測網で解析できる最大範囲の領域の解析です。 また解析期間は2011年の東日本大震災以降の7年半ほどのデータを使っています。これは東日本大震災という超巨大地震のため、この震災を境に日本列島全体の地震活動の特徴が大きく変化してしまったためです(特に東北・関東地方)。 解説でも述べましたが、紀伊水道はかなり活発な地震活動が存在するのですが、そのほとんどは浅い活動で、11月2日のような深い活動は極めて珍しいものなのです。今週は11月7日時点のLタイプの地下天気図をお示しします。
 
  • 11月5日にまぐまぐでDuMANewsLetter第40号発刊されました。
10月の地震活動概観 : 2018年10月の地震活動で最も顕著だったのは、台湾近傍で発生したマグニチュード6.1(10月21日)と6.3(10月22日)の連続した地震活動でした。この2つはほとんど同じ場所で発生した地震で双子地震と言える地震活動です。これは今年の6月に発生した大阪北部地震よりも大きな地震なのですが、震源が陸域でない事から、マグニチュードは大きくても与那国町で震度3を観測したのが最大でもちろん被害地震にはなっていません。
 このように地震学的にはこの地震が最も大きなものとなりますが、社会的には1)被害がでたか、2)大きな震度が観測されたか、が報道基準となりますので、このあたりが報道だけに頼ると日本列島およびその周辺の地震活動を間違って評価してしまう可能性があります。地震学的に重要なのは、震度ではなく、マグニチュードという事になります。
紀伊半島沖で極めて珍しい地震が発生しました : 11月2日、紀伊半島南西沖で極めて珍しい地震が発生し、西日本で広く有感となりました。紀伊半島周辺、特に和歌山周辺は普段から微小地震活動が活発なところですが、それは比較的浅い(深さ20km程度まで)地震活動です。
 2日の地震は50kmという深さで発生しました。これは(将来南海トラフ巨大地震が想定されている)沈み込むフィリピン海プレートの上面で発生したものと思われます。今週号ではこの地震がいかに珍しいものであったかを解説しています。
中部・近畿・中国・四国地方の地下天気図® : 9月17日のニュースレターに引き続き、中部地方以西の地下天気図®解析です。解説でも述べましたが、紀伊水道はかなり活発な地震活動が存在するのですが、そのほとんどは浅い活動で、11月2日のような深い活動は極めて珍しいものです。
  • 来週10月29日は第5月曜日のため、休刊となります。
 
  • 10月22日にまぐまぐでDuMANewsLetter第39号発刊されました。
北信越に出現していた地震活動静穏化について:これまで北信越地域で、LタイプおよびMタイプの地下天気図双方で地震活動静穏化の異常が出現していた事から2017年6月19日のニュースレターで、山陰地方と北信越地域に関する予測を公表いたしました。このうち、山陰地方の異常につきましては、2018年4月9日にマグニチュード6.1の地震が島根県西部で発生し、対応する地震が発生したと考えています。ただ北信越の異常につきましては、予測を公開したすぐ後に2017年6月25日に長野県西部でマグニチュード5.6の地震が発生してはいますが、地震活動静穏化の面積を考えると、少し発生した地震が小さいと考え、しばらくの間北信越地域では、もう少し大きな地震発生の可能性が存在するのではと考えていました。 さらに詳細な解析を行った所、北信越の地震活動静穏化異常は、当初予想したより規模が小さい事と考えられる事が判明しました。従いまして、昨年6月19日にお知らせした北信越の異常は解除いたします。
日本列島陸域の地下天気図®: 今週は日本列島陸域に特化した地下天気図解析です、今回はLタイプとMタイプの双方を掲載いたしました。
  • 10月15日にまぐまぐでDuMANewsLetter第38号発刊されました。
北海道胆振東部地震の続報: ここ1週間から10日ほど、胆振東部地震周辺の地震活動に変化が起きています。本震は9月10日のニュースレターでも説明していますが、内陸直下型地震としては、異例とも言える深い所(深さ37km)で発生しました。この原因はこの地域の地下の温度構造が極めて“冷たい”事が理由である事も述べさせて頂きました。
 現在どのような変化が震源域で起きているのかという事ですが、浅い所での地震の“起き方”に変化が見られるのです。それは、あまり小さな地震が発生せず、マグニチュード4クラスの比較的規模の大きな地震が続けて発生しているのです。

東北地方海域の地下天気図® : 今週は8月6日のニュースレターに引き続き、東北地方海域の地下天気図解析です、また今週はアウターライズの地震活動に関係する、岩手県沖合におけるRTM値の時間変化のグラフを掲載しました。
 
  • 10月8日にまぐまぐでDuMANewsLetter第37号発刊されました。
北海道胆振東部地震から1ヶ月: 北海道胆振東部地震から1ヶ月が経過しました。以下の情報はその時実際に札幌にいた知人から寄せられたものの一部です。
・地震発生後停電となったが、その後20分位は電気はついていた。
・ホテルは停電でエレベターが停止。屋上の水タンクが空になると、客室も断水となるため、宿泊も不可能である事が判明。当然ながら食事も不可。また電子キーのホテルが多く、これも入室できないので、部屋があっても宿泊ができない。
・JRは全路線停止、路線バスは信号機が停電だと安全規則上運行できないので、全便運休。等々

この地震では厚真町を中心に大規模ながけ崩れなどの地盤災害が発生しました。しかし一般の方にはとても「ここが崩れる」とは思えない緩傾斜の場所でも崩壊が発生しており、いかに地震動が大きかったかを思い知らされる状況です。
2018年9月の地震活動 : 9月の地震活動で最も顕著だったのは、当然の事ながら9月6日に発生した北海道胆振東部地震(マグニチュード6.7)でした。それ以外には、観測された震度が大きくありませんでしたので、あまり話題となりませんでしたが、15日から16日にかけて沖縄本島の東でかなりまとまった地震活動が観測されました(最大マグニチュードは6.2)。それ以外には目立った活動はありませんでした。 9月1ヶ月ではマグニチュード5を越える地震は合計14個発生していました。
首都圏の地下天気図® : 今週は8月27日のニュースレターに引き続き、10月5日時点の首都圏の地下天気図®をお示しします。
  • 10月1日にまぐまぐでDuMANewsLetter第36号発刊されました。
インドネシアで津波を伴う地震が発生: 9月28日、インドネシアのSulawesi(スラウェシ)島付近でマグニチュード7.5の地震が発生し、それに伴う津波がPaluなどを襲い、確認されているだけで死者は380名以上と報告されています。スラウェシ島周辺は過去にも比較的規模の大きな地震が繰り返し発生してきた地域です。今回の地震では、地震の規模の割に大きな津波が報告されています。津波の規模は地震の大きさだけでなく、海底地形などにより、どこまで津波が遡上してくるかが被害予測には重要となるのです。
草津白根山の噴火警戒レベルが再び引き上げられました : 9月21日、気象庁は草津白根山では、地震活動が低調な状態となるなど火山活動が静穏時の状態に戻る傾向がみられていることから、噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から1(活火山であることに留意)に引き下げました。 ところが28日夕方から、湯釜付近を震源とする火山性地震が増加している事がわかり、同日噴火警戒レベルを再び2に引き上げました。秋の観光シーズンに向けて、皆様も最新の情報を入手するようお願い致します。
日本およびその周辺の広域地下天気図® : 今週は現在の気象庁の観測網で解析できる最大範囲の領域の解析です。また解析期間は2011年の東日本大震災以降の7年半ほどのデータを使っています。今回は9月28日時点のLタイプおよびMタイプの地下天気図をお示しします。
 
  • 9月17日にまぐまぐでDuMANewsLetter第35号発刊されました。( 次週 9月24日は休刊日)
平成30年北海道胆振東部地震の続報: 9月6日に最大震度7を観測した北海道胆振東部地震について、政府の地震調査委員会は、当初震源は地下深くの(未知の)断層がずれ動いたとみていました。ところが、ここへ来て、震源付近の「石狩低地東縁断層帯」が関係していた可能性を否定できないとする考えを14日に公表いたしました。  国土地理院による解析の結果、震源断層は、深さ約15キロから31キロまで垂直に近い角度で伸びており、断層の幅は16.3キロ、長さは14.9キロ。震央付近では最大7センチの地盤隆起があり、その東側では最大4センチの地殻変動が観測されていたことがわかりました。  当初は震源の深さが約37キロと深いため、既存の活断層ではなく、地下深くにある別の断層が原因だと考えていたのですが、国土地理院の解析の結果、地震を引き起こした断層の上端が深さ約15キロまで達していた可能性があることがわかったのです。このため、地震調査委員会は、「石狩低地東縁断層帯の深部が動いた可能性を否定できない」として、当初の見解を修正しました。
北海道の地震の震源が浅くなってきている? : 北海道胆振東部地震について、9月11日のニュースレターで震源が浅くなっている可能性が存在するという事を述べました。 現時点で気象庁から公表されている9月13日までのデータを用いてその後、どのように推移しているかを確認してみました。
● 中部・近畿・中国・四国地方の地下天気図®8月13日のニュースレターに引き続き、中部地方以西の地下天気図®解析です。今週は9月13日時点のMタイプをお示しします。ちなみにこの地下天気図では、過去18年間という長期の地震データを用いています。また現時点の考えられる可能性について記載しました。
 
  • 9月10日にまぐまぐでDuMANewsLetter第34号発刊されました。
平成30年北海道胆振東部地震について: 9月6日3時8分、胆振地方中東部を震源とするM6.7の地震が発生し、最終的に北海道厚真町で震度7を記録していた事が判明しました。震源地に近かった苫東厚真火力発電所(当時北海道におけるほぼ半分の電力を供給)が地震で運転停止したため、需給のバランスが崩れ、全道が停電(ブラックアウト)するという事態が発生しました。  この事が地震の規模に比較して極めて影響が大きくなった要因と考えます。またこの地震は「平成30年北海道胆振東部地震」と気象庁により命名されました。  地震の規模はマグニチュード6.7、深さ37kmと報告されていますが、今後若干修正されるかもしれません。実はこの震源の深さは直下型地震としては異例に深いのです。今週号ではこの事について、少し詳しく解説しています。  また、発生する余震の震源がだんだん浅くなっており、今後の活動が非常に危惧されます。
地下天気図®で異常はみられていたか? : DuMAでは、北海道に特化した解析はこれまであまり行ってきていませんでした(最後の解析は2016年6月)。今回、新たに複数のパラメータを用いて解析を行なってみましたが、いずれもこの地震に先行した顕著な地下天気図の異常は現時点では確認されていません。今後さらなる解析を進めていきたいと思います。
日本全国陸域の地下天気図®DuMAでは、地下天気図解析でこれまで継続的に大阪および紀伊半島周辺での地震活動静穏化について触れてきましたが、どうもその状況が変わってきたと思われます。
  • 9月3日にまぐまぐでDuMANewsLetter第33号発刊されました。
ローリング・ストック : 9月1日は防災の日でした。政府レベルでは、全閣僚が参加した南海トラフ巨大地震を想定した防災訓練も行われたほか、各地で同様の訓練が行われました。
   みなさまのご家庭や職場でも、いろいろな防災・減災対策が行われている事と存じますが、『ローリング・ストック』という用語(和製英語です)をご存知でしょうか。
  ローリングストックとは、非常時に備えて平常時から少し多めの食料や消耗品(たとえばトイレットペーパーなど)を備えておき、定期的に消費・補充することで、備蓄した非常食等が消費期限切れとなるのを防ぐ手法です。いわば「食べながら備える」という事だと思います。今回はローリングストックについて少し考えてみました。
2018年7月および8月の地震活動概観 : 7月、8月の二ヶ月間で、日本およびその周辺海域では17個のマグニチュード5を超える地震が発生しました。なお、この二ヶ月間で最大の地震は、小笠原諸島の南東約300kmほどで発生したマグニチュード6.3の地震でした。
  顕著な活動としては、小笠原諸島の南東の地域で17個のうちの10個のマグニチュード5を超える地震が発生していました。これらの地震はフィリピン海プレートの下に沈み込むマリアナ海溝に関連した地震と考えられます。
東北地方海域の地下天気図® : 8月6日のニュースレターに引き続き、東北地方、特に沖合での地震に焦点を当てた地下天気図®解析を今週は行いました。この解析では、比較的規模の大きな地震(マグニチュード7クラス)の地震にターゲットを絞っており、各種パラメータチューニングを実施しています。今回は8月30日時点のLタイプ、Mタイプの地下天気図®をお示しします。
 
  • 8月27日にまぐまぐでDuMANewsLetter第32号発刊されました。
8月19日に緊急地震速報の誤報騒ぎがありました : 緊急地震速報は、地震発生後にその地震波が皆様がお住まいの所に到達する前に、ITの力を用いて、揺れの情報を光速(毎秒30万km)で伝えるシステムです。例えば静岡で地震が発生した場合、地震波が東京や名古屋に到着するには15秒から20秒かかります。もし、TVの生中継が静岡、小田原、東京で行われていたとすると、まず静岡が揺れだし、次に小田原が揺れだし、最後に東京が揺れだす事になります。緊急地震速報はまさにこのように情報をいかに早く伝えるかという技術であり、いわゆる地震予知ではありません。より正確に言えば緊急地震”動”速報なのです。地震発生後に発表されるため、原理的な困難として、実は最も揺れの大きな(そして最も情報が必要な)震源地付近では、緊急地震速報は間に合いません。先日の大阪北部地震のような場合は、震源地の大阪では、揺れが到来してから速報が流れるという事になります。  またすべて自動で処理しなければならないため、原理的に誤報が避けられないケースがあります。一つは小さな地震が(ほぼ)同時に離れた場所で発生した場合です。個々の地震の揺れは小さくても、広域的に揺れたと判断して、小さな地震ではなく、1つの大きな地震と判断してしまう事があります。このあたりの事は気象庁ホームページでも解説されています。
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  • 8月20日にまぐまぐでDuMANewsLetter第31号発刊されました。
九州に火山が集中する理由: 屋久島のとなりの口永良部島で噴火警戒レベルが4に引き上げられました。 神戸大学海洋底探査センターの巽好幸教授によれば、九州は国内に111ある活火山のうち17もが集まる火山密集域であり、これらの火山はフィリピン海プレートが南海トラフないし琉球海溝から沈み込むことが原因です。しかし、同じフィリピン海プレートが沈み込む中国地方には、活火山はたった2個しか存在しない事を指摘しています。 巽教授はこの違いが、沈み込むフィリピン海プレートの年代の違いにより説明できるとしています。
日本およびその周辺の地下天気図® : 今回お示しするのは、現在の気象庁の観測網で解析できる最大範囲の領域の解析です。また解析期間は2011年の東日本大震災以降の7年半ほどのデータを使っています。 これは東日本大震災という超巨大地震のため、この震災を境に日本列島全体の地震活動の特徴が多きく変化してしまったためです(特に東北・関東地方)。今回はLタイプの地下天気図を3枚お示しします。
 
  • 8月13日にまぐまぐでDuMANewsLetter第30号発刊されました。
紀伊半島沖で奇妙な地殻変動が観測されています: 8月6日に気象庁の「南海トラフ地震に関連する情報」に関する定例検討会が開催されました。この定例判定会は、2017年11月から行われるようになったもので、それまでは「東海地震に関連する情報」というものが発表される仕組みとなっており、真に異常を観測した場合には、内閣総理大臣が法的強制力をもった対応を自治体や企業に求めるしくみでした(いわゆる大規模地震対策措置法に基づく措置)。 しかしDuMA/CSOも参加した内閣府の委員会で「確度の高い予測は現時点では困難」という結論をまとめたため、これまでの警戒宣言は出されなくなり、今後は「南海トラフ地震に関連する情報(定例)」と「南海トラフ地震に関連する情報(臨時)」というものが出されるようになりました。今回の情報は臨時情報ではありませんが、紀伊半島沖で極めて奇妙な地殻変動が観測開始以降初めて観測されており、極めて重要な意味を持つものと考えています。
中部・近畿・中国・四国地方の地下天気図® : 大阪北部地震の続報を含む中部地方以西の地下天気図解析です。6月18日に大阪北部地震が発生しました。この地震では不幸な事にブロック塀の倒壊等で結果として5名の死者を出すに至りました。しかし地震そのもののエネルギーは2016年の熊本地震や、1995年の阪神大震災の1/60ほどの地震であり、(不幸な事に被害は出ましたが)地震学的には決して大きな地震ではなかったのです。今回のニュースレターでは8月10日時点のものをお示しします。状況がかなり変化してきた事が見て取れます。
  • 8月6日にまぐまぐでDuMANewsLetter第29号発刊されました。
津波の予測モデルの修正 : 日本の津波予測システムが世界最高水準であることは確実で、3分ほどで最初の情報が出るようになっています。ただ、東日本大震災のような超巨大地震の場合、破壊が開始してから、終了するまで数分を要します。そのため、原理的に超巨大地震では、地震の規模そのものが推定できるのに5分程度を要します。従って3分間で津波の大きさを正確に予測することは、原理的に困難なのです。従って、発生した地震が超巨大地震と思われる場合には、その海域で最大の地震が発生したとして津波警報を出す事になっています。
 またマグニチュード7.5から8クラスの地震の場合、あらかじめ津波を発生させる断層というものを想定しておき、事前に津波のシミュレーションを行っておきます。その結果をデータベースに登録しておき、地震が発生した直後に、どの断層モデルがもっともよく一致しているかを判断し、そのシミュレーションの結果を用いて予報を発表します。
 今回の見直しのきっかけとなったのは、2016年11月に福島県沖で発生したマグニチュード7.4の地震で、宮城県の津波を低く見積もったことがきっかけでした。気象庁はこれまで、断層の向きについて、列島の沿岸もしくはプレート境界に平行する2通りしか想定していなかったのですが、福島県沖の地震では実際には北東ー南西方向に延びる断層が動いたことがわかりました。その結果、気象庁は宮城県に到達する津波を過小評価し、警報の発表が遅れたのです。津波の過小評価は、大きな被害につながりかねないため、気象庁は詳しい観測記録のある1994年以降の地震データを用いて、断層の向きを精査し断層モデルの修正を行なったとのことです。

東北地方海域の地下天気図® : 6月18日のニュースレターに引き続き、東北地方、特に沖合での地震に焦点を当てた地下天気図解析です。この解析では、比較的規模の大きな地震(マグニチュード7クラス)の地震にターゲットを絞っており、各種パラメータチューニングを実施しています。この一ヶ月半ほどで、茨城県およびその沖合の静穏化異常に変化がある事が判明しました。
 
  • 7月23日にまぐまぐでDuMANewsLetter第28号発刊されました。
九州北方海域の地震活動静穏化異常について:6月11日付および先週の7月16日付のニュースレターで、九州北部海域(中国地方西方海域)を中心とした地震活動静穏化の異常について報告させて頂きました。今週号では、この異常の精度についての検討を行っています。そのため、2001年以降の九州地方全体の地震活動分布図をお示しし、見解を述べています。
  この地域では、2005年3月に福岡県西方沖地震(M=7.0)が発生し、震源に近かった玄界島では住宅の半数が全壊する被害を出しました。この地震は有史以来、初めての大きな地震活動であった事を肝に命じておく必要があると思います。政府・地震調査委員会にとっても全く想定外の突然の地震でした。
九州全域の地下天気図®このような経緯もあり、2001年以降の18年間の長期間のデータを用いた、新たな解析を九州地方で開始する事としました。 ここでは複数の地下天気図®のパラメータで計算してみましたが、いずれのパラメータでも九州南方海域で地震活動静穏化が共通して検出されました。
  • 7月16日にまぐまぐでDuMANewsLetter第27号発刊されました。
2018年6月の地震活動: 6月は6月18日に大阪北部地震(M=6.1)が発生したため、地震活動が活発であったと思われる方も多いかと思います。ところが日本列島全体で見てみますと、実は極めて地震活動が低調な一ヶ月でした。
日本列島陸域の地下天気図®: 6月18日の大阪北部地震の今後が危惧される状況が続いています。現在DuMAでは北海道、本州、四国、九州に関しては、陸域に特化して小さなマグニチュードの地震まで用いて解析しています。従って、海域に出現している異常については、精度が相対的に低くなっていると考えています。今週のニュースレターでは、解析するマグニチュード範囲を変更した解析結果も合わせてお示ししており、どの異常が本物と考えられるかについての考察を行っています。
  • 7月9日にまぐまぐでDuMANewsLetter第26号発刊されました。
千葉県東方沖でマグニチュード6.0の地震発生:7月7日20時すぎに、千葉県東方沖でM6.0の地震が発生し、1地点で震度5弱を観測しました。この地震は6月18日に大阪で発生した地震と規模はほぼ同じでしたが、幸いな事に被害地震とはなりませんでした。  これには2つの理由があります。1)海域で発生したため、いわゆる都市直下型地震ではなかったこと。2)地震発生の深さが50kmと深く、大阪の場合の10kmとは大きく異なっている事。特に2)の地震発生の深さの違いはそのまま地表(=人が住んでいる所)との距離が異なる事を意味します。
ここ数日の豪雨災害について: これまで、一般的には「地震は広域災害」、「集中豪雨や土砂崩れは局地災害」と考えられてきましたが、ここ数日の西日本を中心とした豪雨災害はとても局地的な被害とは言えない状況であると、認識せざるを得ません。
  確かに最近は気象災害が大型化しているとの指摘があります。この原因としてやはり考えざるを得ないのが、“地球温暖化”の影響だと思います。コンピュータ・シミュレーションでは、温暖化が進むと台風の数が減るかわりに、超大型の台風が増える等の結果も公表されています。その他、異常高温、大雨、干ばつなど、気候の“振れ幅”が大きくなるというのが、共通した傾向となっています。 今回の広域における豪雨災害の対応は、将来の南海トラフ巨大地震に対する対応の難しさの一端を示していると思われます。
大阪北部地震の続報: これまでの経験則で、地下天気図®解析では「静穏化が終了してから地震が発生する可能性が高い」と述べてきました。しかし大阪北部地震については、どうもそのような状況では無いという事を述べてきました。今回は最新の7月5日時点の地下天気図®を掲載いたします。
  • 7月2日にまぐまぐでDuMANewsLetter第25号発刊されました。
大阪北部地震について: 6月18日に発生した大阪北部地震ですが、現時点では2つの断層がほぼ同時にずれ動いた可能性が高い事までは判明してきましたが、まだどの断層かを同定する所までは行っていないようです。周囲にはメディアでも報道されているように、有馬ー高槻断層帯、上町断層帯、生駒断層帯が分布しています。  京都大学は、上町断層と大阪北部地震が関係した可能性は低いと考えており、生駒断層の北部延長に未知の活断層があるのではと推察しています。
● 首都圏の地下天気図®6月4日のニュースレターに引き続き、首都圏の地下天気図®解析です。 6月には房総半島沖でスロースリップという体に感じない地震(マグニチュード6クラス)が頻発し、それに伴い体に感ずる普通の地震も頻発するという事が発生しました。  今回はMタイプとLタイプの2つの地下天気図®を併せてお示しします。
  • 6月25日にまぐまぐでDuMANewsLetter第24号発刊されました。
大阪で震度6弱を記録した地震が発生: 6月18日朝、大阪で震度6弱を記録した地震が発生しました。 この地震がどのような性質のものであったか、政府・地震調査委員会もはっきりとした見解を公表していません。この地域には有馬高槻断層を始め、上町断層、生駒断層等が存在し、地下構造の不確かさと、震源決定精度のばらつきのため、まだどの断層で地震が発生したのかについて、現時点で結論を出せないようです。
大阪北部地震の今後の推移(今後のリスク)について: 今後、この地震活動がどのように推移していくかについて、色々な方がコメントされています。DuMAとしても地下天気図®解析の結果を元に今後のリスクについて5つの仮説を提唱したいと思います。
地下天気図®による解析 : これまでもDuMAでは、大阪を中心とする近畿圏に地震活動静穏化の異常が出現している事を何度も報告してきました。ただ、静穏化が継続していた事から、「発生はまだ先の可能性が高い」とも述べてきました。  このような状況の中で、6月18日に大阪北部地震が発生いたしました
 
  • 6月18日にまぐまぐでDuMANewsLetter第23号発刊されました。
6.18大阪北部地震の速報コメント: 静穏化の異状について。。
房総半島沖で中規模地震活動が続いています: 6月11日、地震調査委員会が千葉県の房総半島沖で、プレート境界の岩盤がゆっくりと滑り動く「スロースリップ」現象が発生と発表しました。実際、12日早朝にマグニチュード4.9の地震が発生しました。スロースリップというのは、岩盤が数日かけてゆっくりと動くもので、体には感じない“地震”です。房総沖ではカーナビでお馴染みのGPS衛星が実用化されてからでも5回、同様の現象が観測されており、同時に過去のいずれのケースでも中規模の地震が伴なった事からこの発表となったのです。 ところが房総半島沖ではもう一つの地震活動のサイクルがありそうなのです。実は房総半島沖では、M6.5前後の地震が繰り返し発生しています。一番最近は1987年のM6.7の地震でした。この地震は『千葉県東方沖地震』と命名されています。その前には1950年にM6.3、1912年にM6.2が発生しています。上記3個の間隔は、38年および37年となっており、1987年からすでに31年が経過しました。房総半島沖での被害を伴う地震はいつ発生してもおかしくない状況になったと考える事が可能です。
東北地方海域の地下天気図®5月7日のニュースレターに引き続き、東北地方海域のマグニチュード7クラス地震にターゲットを絞った解析結果をお示しします。 前回もお知らせしましたが、岩手県沖では大きく広がった静穏化が消失した状態が続いています。
  • 6月11日にまぐまぐでDuMANewsLetter第22号発刊されました。
南海トラフ巨大地震の被害1410兆円 : 土木学会は南海トラフ巨大地震が発生した場合に、発生後20年間の経済的被害が最悪で1410兆円に上るという推計を6月8日発表しました。
 これは現在の国の一般会計予算のおよそ14倍となり、最大級の国難とも指摘されています。一方、38兆円の投資で道路や堤防などのインフラ整備を行えば、約4割の損害を減らす事ができるともしています。 この発表を信ずれば、38兆円で1410兆円の40%(=564兆円)の損害低減となりますから、投資金額のおよそ14~15倍の効果という事になります。一般に被災後に予算を投下するより、被災前(=地震発生前)の投資が極めて有効である事が色々な機関により示されています。
日本列島陸域の地下天気図® 東日本大震災から丸7年が経過し、ようやく全国を統一的に解析できるようになってきました。そして先週のニュースレターでもお伝えしましたが、DuMAでは東日本大震災以降の地震データの解析で、北信越地域で大きな静穏化の異常が観測された事から、マグニチュード7クラスの地震発生の可能性があるのではないかと考えてきました。はたしてどの程度この静穏化の異常が確実なものかを詳しい解析を行い検討してみました。
  今週号では、色々な地域に出現している静穏化異常について検討を行ない、どれが本当の異常と考えられるかについて現時点のまとめを示しました。
  • 6月4日にまぐまぐでDuMANewsLetter第21号発刊されました。
2018年4月と5月の地震活動概況 : 今週は2018年4月と5月の地震活動概況をまとめてお伝えします。  4月にはおよそ1年半ぶりに陸域でマグニチュード6を越える地震が島根県で発生しました。それ以外では、北海道根室近傍で地震が続発しました。  5月でもっとも大きな特徴は、長野県で地震が続けざまに発生した事です。また根室近傍での活動も続いています。
2017年は地震活動が極めて静かな一年でしたが、2018年も中盤にさしかかり、日本列島全体として、少し地震活動が活発化してきたと考えています。
首都圏の地下天気図® : 4月23日のニュースレターに引き続き、首都圏に特化した地下天気図®解析です。 今週号では、RTM時系列データというものを2地点(長野県北部と銚子沖)示しています。特に長野県では、先週のニュースレターでもお示ししていますが、このところマグニチュード5クラスの地震が続いて発生しています。また2014年11月には白馬村でマグニチュード6.7の地震が発生しています。DuMAでは、北信越地域に大きな静穏化の異常があるとして、マグニチュード7クラスの地震発生の可能性があるのではないかと考えてきましたが、今後新しい解析を含めて最新の見解を述べさせて頂きたいと考えています。
 
  • 5月28日にまぐまぐでDuMANewsLetter第20号発刊されました。
地震前兆現象に関する国際シンポジウムを開催しました : 地震予知が可能かという問題は、常に地震学界では大きな議論になっています。特に短期・直前の予測可能性については、昨年11月から、気象庁が東海地震の警戒宣言を出さなくなるという変更もあり、後退したように見えます。これは地震学がある意味進展したことにより、予知情報の発表に必要な前兆現象は存在するものの、住民が避難行動を起こせるほどの正確な予測は難しいと判断され、それまでの警戒宣言という枠組みが変更されたのです。しかしながら、近年の各種観測網の充実や、デジタル信号処理技術の進展により、予知研究自体は大きく進んでいると考えています。   また毎年5月には地球惑星科学に関する学会(日本地球惑星科学連合といいます)が開かれていますが、それに合わせて、今年はall Japanで研究を実施している「地震・火山噴火予知研究協議会」が主催し、DuMA/CSOが所属する東海大学海洋研究所の他、千葉大学理学部、東京大学地震研究所が共催となり、地震前兆現象に特化した国際シンポジウムを千葉大学で開催しました(5月25~27日)。
長野県で中規模の地震が頻発しています:5月25日、21時過ぎに長野県北東部で震度5強を記録した地震が発生しました。それ以外にも、5月12日には北西部で震度5弱を記録した地震も発生しました。地震の規模としてはマグニチュード5を少し越える程度のものでしたが、震源が極めて浅かった事から、大きな揺れとなりました。  長野県では、2011年3月12日(東日本大震災の翌日)に栄村を中心とした地域で、震度6強を記録したマグニチュード6.8の地震(これは東日本大震災に誘発された地震)と、2014年11月22日に白馬村で震度6弱を記録したマグニチュード6.7の地震が発生しています。  長野県内には有名な糸魚川-静岡構造線というものが走っており、政府・地震調査委員会でも内陸地震としては最大規模の地震発生の可能性が高い地域と指摘されています。
日本およびその周辺の地下天気図® : 4月9日のニュースレターに引き続き、現在解析できる気象庁のすべてのデータを用いた広域的な解析結果を今週はお示しします。対象はマグニチュード7ないしそれ以上の大きさの地震となり、南は台湾、北は北方領土までがカバーされます。
 
  • 5月21日にまぐまぐでDuMANewsLetter第19号発刊されました。
キラウエア火山の活動がさらに活発化 : ハワイ島のキラウエア火山のニュースがメディアでも取り上げられています。ここ1週間ほど、さらに活動が活発化し、爆発的な噴火も発生するのではないかとの指摘があります。もともとハワイの火山は玄武岩質マグマというもので、粘性が低く、それ自体は爆発的な噴火にはなりません。現在危惧されているのは、マグマが地下の大きな水脈と接触した時に起こる水蒸気爆発です。   キラウエアでは17日には火山灰が上空9,000mまで達する噴火があり、航空機の飛行にも支障が出るようになっています。ただホノルルのあるオアフ島には風向きによって、空が曇ったような状態になる事がありますが、噴火そのものの影響はありません。
本(小説)の紹介 : 福井晴敏の小説に『平成関東大震災』という小品があります。東日本大震災前に書かれた小品で、首都直下地震が発生したあと、どのように主人公が行動したかが書かれています。副題は「いつか来るとは知っていたが、今日来るとは思わなかった」というもので、まさに今の我々にぴったりな状況ではないかと思います。単なるマニュアル本やHow to本と違い、主人公の精神的葛藤や、いかに日本人が会社人間であるかが、ある意味面白く描かれています。皆様にもご一読お勧めします。
● 中部・近畿・中国・四国地方の地下天気図® : 4月2日のニュースレターに引き続き、5月17日時点の地下天気図をお届けします。中部地方以西は東日本大震災の影響が小さく、17年間という長期間の地震データを解析に使う事が可能です。静穏化の異常が大阪を中心とした地域で進んでいる事がわかります。
  • 5月14日にまぐまぐでDuMANewsLetter第18号発刊されました。
中国・四川地震から10年:2008年5月12日、中国四川省を中心とする地域でマグニチュード8クラスの地震が発生しました。公式には死者69,226 名、負傷者37万人以上、GDPのロスは8,450億RMBとされており、日本円に換算すると約14兆円となります(中国政府発表の数値)。プレート沈み込み帯で発生する地震ではマグニチュード8クラスはかなりの頻度で発生しますが、このような内陸の地震でマグニチュード8というのは、最大クラスの地震です。
日本列島陸域の地下天気図®3月26日のニュースレターに引き続き、5月8日時点の日本列島陸域の地下天気図解析です。今回は、Mタイプを示し、現時点での考えを示してあります。
  • 5月7日にまぐまぐでDuMANewsLetter第17号発刊されました。
ハワイ島でマグニチュード6.9の地震が発生しました : ハワイ諸島のハワイ島では、キラウエア火山の噴火が今月に入って報告されていましたが、日本時間の5日、マグニチュード6.9の地震が発生しました。このように火山活動と規模の大きな地震活動が重なる事がまれにあります。しかしながら日本では、このような事態を想定していない場合がほとんどです(通常は火山性の地震は最大でもマグニチュード6程度のため)。 実際、1914年の桜島の大正噴火(この時に大隅半島と桜島は陸続きになった)では、噴火後にマグニチュード7.1の地震が発生し、30名ほどの死者が出ています。 ハワイ島の火山活動は、これまでも継続的に続いており、今回の活動が特別な噴火という事はありません。また溶岩の性質から、爆発的な噴火を起こす可能性は極めて低く、そのため観光で溶岩の近くまで行く事ができるのです。
東北沖の地下天気図®: 3月19日のニュースレターで、東北沖(特に岩手沖)で地震活動静穏化の異常が進行中である事をお示ししましたが、この異常が5月2日時点で消失している事が判明しました.   岩手沖では大きな地震発生の準備が整ったと考えられます。
  • 4月23日にまぐまぐでDuMANewsLetter第16号発刊されました。
霧島連山の硫黄岳が1768年以来、丁度250年ぶりに噴火 : 19日午後、宮崎・鹿児島県境にある霧島連山のえびの高原・硫黄山が噴火しました。硫黄山の噴火は1768年以来で、250年ぶりの事です。このため、気象庁は噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から3(入山規制)に引き上げました。ゴールデンウイーク直前の噴火に地元観光業界はショックを受けています。
 また22日には、草津白根山の湯釜も火山性地震の急増を受けて、噴火警戒レベルが1から2へ引き上げられました。

首都圏の地下天気図® : 3月12日のニュースレターに引き続き、首都圏の地下天気図®解析です。2011年の東日本大震災直後は、首都圏も非常に地震活動が活発化していましたが、それが昨年にはかなり以前の状態に近づいてきました。 しかしここに来て、明らかに首都圏の地震発生の状況が変化してきたようです。今回もLタイプとMタイプの2種類の地下天気図®を掲載していますが、房総半島から茨城県にかけて、静穏化ではなく、地震活動が活発化している事が判明しました。 また今週号では、現時点における首都圏の地震活動が今後どうなるかについての解釈を行ってみました。その結果、明らかに関東地方(特に千葉県から茨城県沖にかけての地域を含む)の地震活動にこれまでと違う変化が生じて来たことは確実と考えています。
 
  • 4月16日にまぐまぐでDuMANewsLetter第15号発刊されました。
島根県西部でマグニチュード6.1の地震が発生しました : 今週は9日に島根県西部で発生した地震(M6.1)の関連でニュースレターをまとめてみました。2018年4月9日午前1時32分、島根県西部を震源とするマグニチュード6.1の地震が発生し、震度5強を記録しました。この地震は2017年以降、陸域で発生した唯一のマグニチュード6を越えた地震でした。
中国地方西部については、2017年6月19日のニュースレターで、地下天気図®解析結果から、北信越地域と山陰地方西部地域を「今後内陸での地震発生の可能性が高い地域」と推測していました。下のURLで、すでに公開されています。(DuMA NewLetter 20170619)
前震-本震型(双子地震)かの判断 : 通常の地震は最初に本震(マグニチュードが最大)が発生し、その後本震より小さな余震が発生します。また日本では1割位の地震で、本震の前に前震と呼ばれる一回り小さな地震が発生し、その後本震が発生する事が知られています。
 ところが時にはそうでない場合があります。つまり、最初にかなり大きな地震が発生し、それを本震と考えていたら、しばらくしてそれより大きな地震が発生する場合があります。一番最近の例では熊本地震がこのタイプでした。   また2011年の東日本大震災の2日前の3月9日に、宮城県沖でマグニチュード7.3というかなりの規模の地震が発生(津波注意報も発令された)しました。その時には、誰も2日後に“本震”であるマグニチュード9の超巨大地震が発生するとは考えが及ばなかったのです(今から考えるとマグニチュード7.3というのがかなりの規模の地震であったため、地震学者の多くが「想定していた宮城県沖地震が発生した」と考え、思考停止に陥ってしまったのです。  ところが、一部の研究者は3月9日のマグニチュード7.3以降発生した地震活動が、通常の余震活動と異なった特徴(さらに大きな地震の前兆と考えられる地震活動であった)がある事に気がついていました。これは地震学で最も有名な地震の起き方の統計的な性質についての解析を行った結果でした。
今回の島根県の地震はこれで終了か? : 余震の起き方を9日から13日までのデータで調べてみますと、地震活動がこれで収束とも言えるし、もしかすると、ほぼ同じか、さらに大きな規模の地震が発生する可能性も残っていると言わざるを得ない結果となりました。  山陰地方の方におかれましては、もうしばらくの間、大きな揺れに襲われる可能性残っているという事を心の片隅に置いていただければと思います。
 
  • 4月9日にまぐまぐでDuMANewsLetter第14号発刊されました。
● 霧島連山・新燃岳で高度8000mに達する爆発的噴火が発生しました: 活発な活動が続いている新燃岳ですが、4月5日にはこれまで最高の高さ8,000mまで噴煙が上昇する噴火がありました。現在気象庁では噴火警戒レベル3で、入山規制を実施していますが、鹿児島大学で火山学を専門とする井村准教授によると、本当に恐ろしいのは現在続いているブルカノ式噴火(粘り気の強い溶岩が流出する噴火)からプリニー式噴火(溶岩だけでなく大量の火山灰を噴出し、住宅などを埋め尽くす事がある。ポンペイの遺跡を作った噴火がこのプリニー式噴火)へ移行する事だそうです。
● 20世紀は火山活動が実に静かな世紀だった: 実は第二次世界大戦後の日本は、まともな“噴火”を経験していないのです。比較的信頼のおける記録がある江戸時代以降19世紀まで、1回の噴火で数億立方メートル以上の噴出物を出すような大噴火が各世紀に4回以上発生しています。ところが、20世紀に入ると1914年の桜島の大正噴火、1929年の北海道駒ケ岳噴火の2回だけで、それ以降は大きな噴火は発生していないのです。
● 日本およびその周辺の地下天気図®: 今回から全く新しい解析をお届けします。2011年の東日本大震災により、東北地方および関東地方では地震発生の様式が大きく変わってしまいました。そのため、日本全国を統一的に解析する事が困難な状態が続いていました。
 しかし震災後7年が経過し、かなりの程度地震活動が落ち着いてきました。そこで、現在入手できる気象庁の地震データをすべて使った解析結果を今回からお届けします。南は台湾および北は北方領土までがカバーされます。
 
  • 4月2日にまぐまぐでDuMANewsLetter第13号発刊されました。
● 霧島連山の新燃岳の活動が続いています : 新燃岳では今3月25日の午前7時35分、爆発的噴火が再び発生し、噴煙が3200メートル上空に到達しました。この噴火では大きな岩が火口の外へ飛び出した事も確認されています。この噴火に伴って火口縁から西側へ、小規模な火砕流が発生している事もわかりました。幸い火砕流の方向には民家は無く、現在は被害は出ておりません。
● 東京都が大規模な公共施設の耐震強度情報を公開しました : 東京都は29日、1981年以前の旧耐震基準で建てられた大規模な建物などの耐震診断結果と施設名を初めて公表しました。震度6強以上で倒壊の危険性が高いとされたのは156棟、倒壊の危険性があるのは95棟となっています。さらに今回の調査では、(1)病院や店舗など不特定多数の人物が利用する施設、(2)特定緊急輸送道路の沿道に存在し、高さが道路幅の半分以上の建造物にカテゴリ?を分割して実施し、安全性を123の3段階で評価しているのが特徴です。
● 中部・近畿・中国・四国地方の地下天気図® : 2月26日のニュースレターに引き続き、3月29日時点の2種類の地下天気図解析(LタイプとMタイプ)をお示しします。2つのアルゴリズムで同時に異常が確認され、数ヶ月以上の期間続く場合は、「異常はみかけのものでなく、本物の地震活動静穏化異常である可能性が高い」と判断してよいと考えています。また今週は久しぶりに「時系列変化」というグラフをお示しします。
解析の結果、LタイブでもMタイプでも近畿地方に顕著に青い静穏化領域が広がっている事がわかりました。
 
  • 3月26日にまぐまぐでDuMANewsLetter第12号発刊されました。
● 緊急地震速報の精度が向上?! : 3月20日、気象庁から巨大地震発生の際の緊急地震速報の精度向上のために新しいアルゴリズムを3月22日から適用するとの発表が行われました。これは従来の緊急地震速報が地震発生の最初のデータのみを用いて「1度だけ」発表していました。
ところが、東日本大震災のような超巨大地震では、破壊(断層の動き)そのものが数分続きます。そのため、破壊の終了(その時にはすでに大きく揺れている)を待って情報を出す事はできません。結果として関東地方には緊急地震速報は発表されませんでした。
 今回の改良は揺れているデータをさらに利用して、その後の(遠隔地域の)揺れを予想しようというものです。つまり「続報」が巨大地震の時には出るようになるという事です。ただ緊急地震速報には本質的(原理的)な矛盾を含んだ技術なのです。本文ではこのあたりの解説を行っています。
● 日本列島陸域の地下天気図® : 2018年より、より小さな地震まで解析に用いるようにアルゴリズムを改変し、同時にLタイブ、Mタイプの2つの計算結果をお示しするように致しました。今週号では3月22日時点のMタイプとLタイプを示しています。また参考データとして1月10日時点のものも示しています。 いずれのタイプでも、紀伊半島を中心とする地震活動静穏化の異常が拡大しつつある事がわかります。また岩手沖を中心とする異常も継続している事がわかります。
 
  • 3月19日にまぐまぐでDuMANewsLetter第11号発刊されました。
● 2018年1月および2月の地震活動概観:今週は1月と2月の日本列島およびその周辺の地震活動についてまとめてみました。2018年2月で目立った活動は台湾・花蓮沖発生し、多くの死傷者を出す事になったマグニチュード6.7の地震を中心とした激しい活動でした。この地震活動は熊本地震と同じような前震-本震型の地震活動でした。花蓮沖ではマグニチュード5の地震がこれまでに17個発生しています。熊本地震がマグニチュード5以上の地震が19個でしたので、熊本地震に匹敵するほどの激しい地震活動であったと言えるのです。
● 秋田駒ケ岳の火山活動活発化: 仙台管区気象台は、秋田駒ヶ岳で3月6日から低周波地震の発生が続いており、火山活動の高まりを示している可能性があるとして、臨時の火山情報を発表しました。
● 東北沖にターゲットを絞った地下天気図®: 今週は東北沖にターゲットを絞った地下天気図®解析です。3月16日時点では、Lタイプ及びMタイプの双方とも、かなり似た静穏化の異常を示しており、現在も異常が続いている事が判明しました。
 
  • 3月12日にまぐまぐでDuMANewsLetter第10号発刊されました。
● 東日本大震災から丸7年が経過しました : 東日本大震災から7年が経過しました。いまや東日本大震災は地震災害というより原発災害という色彩をますます強くしてきました。また3月9日、政府の地震調査委員会は「東日本大震災の余震活動は依然活発で、今後も注意が必要」とのコメントを発表しました。マグニチュード9クラスの地震の場合、余震活動は100年以上続くのです。
● 新燃岳の噴火 : ニュースでも数多く報道されていますが、鹿児島県と宮崎県境に位置する新燃岳では、爆発的噴火が続いています。風向きによっては、航空機の運行に支障が出る事もあろうかと思います。鹿児島県や宮崎県へご旅行を計画されている場合には、火山活動の推移にも十分注意をお願いします。
● 阿蘇山の活動も同時に活発化しています : 新燃岳だけではなく、熊本県の阿蘇山でも、3月に入ってから火山性微動や火山性地震が急増しています。こちらも発表される情報に十分ご注意ください。
● 首都圏の地下天気図®: 2月5日のニュースレターに引き続き、首都圏の地下天気図®解析です。2月の時点で、これまで何度も北信越・関東北部を中心とした地震活動の静穏化の異常を報告させて頂きましたが、首都圏の深い地震まで使った解析で、静穏化の異常が消失(=地震活動の回復)していた事をお伝えしました。地下天気図®解析結果からは、現時点で東京およびその周辺での被害地震発生の可能性は極めて小さいと考えられます。
  • 3月5日にまぐまぐでDuMANewsLetter第9号発刊されました。
● 霧島山・新燃岳が噴火: 先週号で活動活発化をお知らせした霧島山・新燃岳ですが、3月1日、噴火が発生しました。またこの噴火により、宮崎市内でも降灰が確認されています。火山性地震も継続して発生しており、新燃岳からは目が離せない状況がしばらくは続くと思います。
● 西表島で震度5弱を観測する地震が発生:3月1日の22時すぎに南西諸島・西表島で震度5弱を観測する地震が発生しました。マグニチュードは5.6と速報されています。今年に入って初めての震度5弱を観測した地震となりました。  この地域での記録に残る最大の地震は石垣島で約30mの高さまで津波が遡上したとされる1771年の八重山地震である。この津波は当時の元号より「明和の大津波」と呼ばれるようになりました。2017年に公表された静岡大学を中心とした調査から、過去2000年の間に約600年間隔でほぼ同規模の地震が4回発生したことを発見しました。
 今後、DuMAではこれまで解析を行ってこなかった南西諸島から台湾にかけても地下天気図®解析を行っていく所存です。
● 海域のM7クラスの地震をターゲットとした地下天気図® : 1月29日のニュースレターに引き続き、海域の長期間(2000年以降の17年間)の地震データを用いた地下天気図®解析です。 この地下天気図®における有効な解析対象範囲を明確にするために、東日本大震災の影響で、やや精度の劣る東北地方全域にハッチをかけさせて頂きました。東北沖につきましては、別途東北沖に特化した解析を行って情報提供を行っています。
  • 2月26日にまぐまぐでDuMANewsLetter第8号発刊されました。
● 霧島連山(宮崎・鹿児島県)の火山活動: 2月14日に火山噴火予知連絡会の定例会が開催され、霧島連山(宮崎、鹿児島県)の新燃岳では火山活動がやや高まった状態が続いており、新燃岳や御鉢では小規模な噴火が発生する可能性があるとの見解を示しました。
 その後、2月23日になり、気象庁は霧島山(御鉢)=火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続=の解説情報を発表しました。御鉢では火山性地震の活発化がみられることから、小規模な噴火が発生するおそれはあり「引き続き、地元自治体などが行う立ち入り規制に従ってください」と呼びかけています。
● 近畿地方の活断層と過去の地震活動 : 
今週は東海地方より西側の地下天気図を®お示ししていますが、特に近畿地方では地震活動の静穏化が進んでいます。そこで近畿地方の活断層と過去の地震活動をまとめてみました。本文中には政府・地震調査委員会が公表している近畿地方の活断層分布をお示ししました。特に大阪城近くを通る上町断層は最も地震発生の可能性が高いと考えられています。また京都の東側、銀閣寺の東側を通る三方・花折断層帯も地震発生の可能性が高いと考えられています。
● 中部・近畿・中国・四国地方の地下天気図® : 1月22日の情報に引き、2種類の地下天気図®解析(LタイプとMタイプ)をお示しします。2つのアルゴリズムで同時に異常が確認され、数ヶ月以上の期間続く場合は、「異常はみかけのものでなく、本物の地震活動静穏化異常である可能性が高い」と判断してよいと考えています。
  • 2月19日にまぐまぐでDuMANewsLetter第7号発刊されました。
● 東京都が地震に関する地域危険度の調査結果を公表しました: 東京都では定期的に地域危険度調査を行っています。この調査では市街地の変化を表わす建物などの最新データや新たな知見を取入れ、概ね5年ごとに調査を行っており、今回は第8回目の公表となりました。
今回の調査では、都内の市街化区域の5,177町丁目について、各地域における地震に関する危険性を建物倒壊危険度、火災危険度に加えて、災害時活動困難度を加味して、総合危険度というもものを数値化して評価しています。 ただ、危険度のランク付けは相対評価のため、都全体ではランク「5」の地区数は減らず、各地点の改善状況を正確に把握するのが難しいという側面があり、今後は絶対評価にしていく必要があると考えます。
●日本列島陸域に特化した地下天気図®: 1月15日のニュースレターに引き続き、日本列島陸域に特化した地下天気図®解析をお示しします。前回のニュースレターでも小さな異常が現れていまいしたが、大阪を中心とした異常が目立つようになりました。また北海道西方沖で地震活動が活発化しているのがちょっと気になります。ここは歴史的にも繰り返し津波を伴う被害地震が発生してきた地域なのです。
 
  • 2月12日にまぐまぐでDuMANewsLetter第6号発刊されました。
● 台湾で被害地震が発生しました: 2月6日深夜(日本時間では7日未明)、台湾でマグニチュード6を超える地震が発生し、大きな被害が報告されています。この地震は東部・花蓮県の近海で発生しました。台湾の中央気象局地震観測センターでは、昨年はM4以上の顕著な有感地震が例年より少なく、地震回数が少ないのは良い現象ではないと指摘していました。これがDuMAで用いている「地震活動静穏化」という前兆現象です。
● 台湾における手抜き工事の例 : 台湾で建築基準が改正されたのは、死者2400人を出した1999年の巨大地震(集集地震)の後です。改正後は、鉄筋の本数を増やし耐性を向上させるなど、建物の耐震強度を上げるためにより厳しい建築要件が導入されました。
 実はこの地震では壊れた壁の中から沢山の一斗缶が出現したのです。これは手抜き業者にとっては一石二鳥の効果だったのです。
● 地鳴りについて : 1月31日には皆既月食が観察されました。この日、実は全国各地で「地鳴り」と思われる音を聞いたというSNSが東京や大阪で急増したのです。そのため、この皆既月食と合わせて「地震の前触れか」という事に繋がったようです。ただこの「音」はどうも空から聞こえたというSNSも多かったようです。今回のニュースレターでは過去に実際に録音された「地鳴り」を報告しています。皆様ぜひ一度実際の「地鳴り」をお聞きください。
● 東北沖にターゲットを絞った地下天気図®: 1月8日のニュースレターに引き続き、東北沖の状況です。東北沖の広い範囲に地震活動静穏化(青い領域)が広がっていたのですが、それが少し消えてきました。状況が変わりつつあります。
  • 2月05日にまぐまぐでDuMANewsLetter第5号発刊されました。
● 蔵王火山の活動活発化 : 宮城・山形両県にまたがる蔵王山で火山活動が活発化しています。現在、噴火警戒レベルが2に引き上げられていますが、火山性微動という最も噴火に直結すると考えられている現象は、1月30日に3回、2月2日に1回観測された程度(2月3日時点)で、山体の膨張を監視する傾斜計という装置でも変動はやや穏やかになっているようです。
● 火山はどのようなきっかけで噴火するのか?: 皆様は火山噴火がどのような事をきっかけにして発生するのか、実は今から30~40年前に考え方の大きな転換がありました。
それまでは火山は(プレート運動などの)圧力(=圧縮力)がだんだんと高まって、マグマがあたかも歯磨きチューブから押し出されるように噴火するのではと考えられていました。ところが、噴火は地殻の圧力が減少したときに起こるのではという考え方が主流となったのです。
つまり、ぎゅうぎゅう押されてマグマが地表に絞り出されるのではなく、地下での圧力が下がって、マグマの中に溶けていた揮発性物質が気体となり(これをマグマの発泡現象と言います)、マグマの体積が結果として大きくなり、地表に噴出するというものです。シャンパンの栓を急激に抜いた時に中の液体が泡とともに吹き出しますが、これが噴火と同じメカニズムと考えられるようになったのです。
● 2018年1月の日本列島およびその周辺の地震活動の概観 : 1月には日本列島およびその周辺でマグニチュード5を超える地震は7個発生しました。12月は7個、11月は8個といった具合ですので、地震活動には大きな変化なかったという結果になりました。
● 首都圏の地下天気図®解析: 12月25日のニュースレターに引き続き、首都圏の地下天気図®(Mタイプ)をお届けします。これまで、北信越・関東北部を中心とした地震活動の静穏化異常を継続して報告させて頂きましたが、首都圏の深い地震(深さ200kmまでを使用しています)まで使った解析でも、静穏化の異常が消失した状態が続いている事がわかりました。
  • 1月29日にまぐまぐでDuMANewsLetter第4号発刊されました。
● 草津白根山が突然噴火しました: 1月23日午前10時ごろ、草津白根山が突然噴火しました。現在、日本では111の活火山がリストアップされています。そのうちの50の火山で常時観測行っています。草津白根山もこの常時観測が行われている火山です。ただ監視の中心は湯釜と呼ばれる強酸性の火口湖を中心とした領域で、今回噴火した本白根山には観測装置はほとんどありませんでした。また各種報道でも言われていますが、この噴火は数kmの差とは言え、真に“想定外”の場所であったという事と、本当に前兆現象も無かったと思われるのです。
ただでさえ前兆現象が小さく、予測が難しい水蒸気噴火が、たとえ数kmといえども、全く監視していなかった場所で発生したのです。地震予知と違い、場所はすでにわかっていると考えていた火山噴火予知にとって実に大きな問題を投げかける事になりました。
● 海域のM7クラスの地震をターゲットとした地下天気図®解析: 12月18日のニュースレターに引き続き、海域の長期間(2000年以降の17年間)の地震データを用いた地下天気図®解析です。前回の同地域の解析から、この地下天気図®における解析対象範囲を明確にするために、東日本大震災の影響で、やや精度の劣る東北地方全域にハッチをかけさせて頂きました。東北沖につきましては、別途東北沖に特化した解析を行って情報提供を行っています。
 また今回から、Lタイプ、Mタイプの2種類をこの日本全体の海域の解析でもお示しするように致しました。
地下天気図®の種類: LタイプMタイプの違いは前回も述べましたが、
RTLアルゴリズム(Lタイプ):異常の抽出感度は少し落ちるが狼少年(異常があった後に地震が発生しない)になりにくい 。ただし地震発生が予測できない事(不意打ち)もありうる。
RTMアルゴリズム(Mタイプ):異常の検出能力が高い、従って誤った異常(狼少年)を検出してしまう事もある。結果として将来の地震発生の見逃しは少ない。  と言う事ができます。
 ちなみに気象の天気図でも、地表の天気図と高層天気図が同じ日に存在するように、地下天気図®も同じ地域の同じ日に複数の地下天気図®が存在します。そのため、地域ごとに最適なパラメータを用いた地下天気図®をDuMAでは提供していきたいと考えています。
 
  • 1月22日にまぐまぐでDuMANewsLetter第3号発刊されました。
● フィリピンでマヨン火山が噴火:1月16日からDuMA/CSOはフィリピンを訪問していました。重力データ解析の技術移転が目的です。現地では15日にルソン島南部のマヨン火山が噴火し、今後爆発的な噴火に移行する可能性が存在するという事から、火山周辺の12,000名に対して避難命令が出されました。マヨン火山は典型的な円錐型の成層火山で、非常に美しい姿をしています。よく、地震予知と火山噴火予知が比較されますが、火山はまずは場所はわかっているので、「どこで」についての不確定さはありません。火山噴火予知の難しさは「いつ噴火するか?」ではなく、「噴火がどのように推移するのか?」「噴火はいつ収束するのか?」になります。あえて非常に単純にステレオタイプに言いますと「地震予知はいつ発生するかが最重要」「火山噴火予知はいつ終了するかが最重要」となります。
●九州・霧島連山・新燃岳でも火山性地震が急増 : 
日本に目を向けますと、霧島連山の一つである新燃岳でも16日ごろから火山性地震が急増しています。また同じく霧島連山のえびの高原に位置する硫黄山でも斜面隆起が観測されました。このため、20日の土曜日には、航空自衛隊の宮崎・新田原基地で実施が予定されていた在沖縄米軍と自衛隊の共同訓練の中止が発表されました。航空機にとって、火山灰は極めて大きなリスクとなりうるという事を改めて感じさせる出来事です。
●中部・近畿・中国・四国地方の地下天気図® : 今回のニュースレターでも、RTLおよびRTMアルゴリズムによる最新の地下天気図をお示しします。いずれの地下天気図でも大阪周辺での静穏化の異常が目立ちます。また今回の情報から、色の塗り方を少し変更しましたので、改めて昨年12月のものと比較できる形で掲載いたします。
  • 1月15日にまぐまぐでDuMANewsLetter第2号発刊されました。
● 日本列島陸域に特化した地下天気図®解析: 東日本大震災から早いものでこの3月でもう満7年となります。このマグニチュード9を記録した311超巨大地震をきっかけとして、日本列島の地震発生の状態は大きく変わってしまいました。特に東北地方から関東地方にかけては、それまでの地震発生の傾向から大きく状態が変わってしまいました。そのため、この東北地方から関東地方を含む解析では、DuMAとしても細心の注意を払って解析を行ってきました。ようやく地震発生の状況がかなり落ち着いてきたという事から、2018年に入ったこの段階で、心機一転、新しいパラメータによる地下天気図®解析を開始したいと思います。
●RTMアルゴリズムとRTLアルゴリズムについて : DuMAではこれまでRTMというアルゴリズムを中心に解析を行って参りました。今後DuMAでは、もう一つの解析アルゴリズムであるRTLというものを併用して情報提供していきたいと思います。2つの解析アルゴリズムは基本的に地震活動について、時間・空間・地震の大きさに関してそれぞれに重みをつけて解析するものです。  RTM/RTLの値が大きいとか小さいというのは次の意味となります。Rは距離(region) 、Tは時間(time) 、Mは地震の大きさ(magnitude)を表します(Lの場合は断層の長さ:length)。  ここからはRTMを例にして説明していきます。RTMの値はR、T、Mの積として定義されます。たとえば東京のRTMの値を解析する時、東京の近くで(R)、最近(T),大きな地震(M)が発生するとRTMの値が大きくなります。RTM/RTLアルゴリズムを使用した地下天気図解析は、この地震活動静穏化現象を分かり易く可視化したものです。
●2018年1月10日時点の陸域の地下天気図® : 今回のニュースレターでは、RTMおよびRTLアルゴリズムによる最新の地下天気図を示しています。いずれのアルゴリズムでも、1月10日の時点では大きな異常は観測されていません。しかし過去の静穏化のデータの推移から、現在陸域では3箇所の被害地震発生の可能性を指摘しております。
  • 1月8日にまぐまぐでDuMANewsLetter第1号発刊されました。
●2017年の地震活動概観 : 2017年の地震活動は、2016年と比較して極めて低調であった事がデータからも確認されました。2017年はマグニチュード5以上の地震が日本およびその周辺で、67個発生しました。それに対し2016年は同様の規模の地震が118個発生していました。
2017年にはマグニチュード6.3の地震が最大の地震で2個発生したのですが、2016年はマグニチュード6.3以上の地震が11個発生していたのです。
●緊急地震速報の誤報について : 1月5日朝、緊急地震速報が関東地方の広域と福島県に流れ、驚かれた方も多かったのではないでしょうか。実はこれは誤報であったのですが、なぜこのような誤報が生じるのでしょうか。これは緊急地震速報が原理的にこの種の誤報を防げないしくみであるためです。もちろん今後ソフトウエアの改善で誤報はより少なくなるとは思われますが、原理的な問題なのです。この誤報について本号では解説を行っています。
●東北沖にターゲットを絞った地下天気図® : 11月20日のニュースレターに続き、東北沖の状況です。10月の時点では、岩手沖・宮城沖・福島沖・茨城沖の広い範囲に地震活動静穏化異常が広がっていました。それが11月末の段階では、かなり静穏化が解消(つまり地震発生が近い可能性が高い)してきたのですが、再び大きく静穏化が進行している事が確認されました。
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