3.11後のまだそこにあるリスク ~ 3.11後の余震活動

2011年3月11日の東日本大震災から、2021年3月11日で10年が経過いたします。 2021年2月13日にマグニチュード7.3の3.11後の余震とみなされる地震が発生しました。


ほとんどの方は「もう地震活動は元に戻ったのでは」と考えがちでしょうが、濃尾地震(1891年推定Mw8.0)の余震は130年以上経過していますが、微小な余震は続いています。

東日本大震災の余震活動は数十年~100年以上続きます。もちろん余震の発生数は確かに低下しています。 地震学的には、まだ4つの大きなリスクが残っていると考えています。 1) 3.11後の余震活動、及び最大余震(マグニチュード7.3クラス)の発生 2) アウターライズにおける津波地震の発生 3) 3.11事前には発生していなった正断層型の地震の発生(福島沖など) 4) 3.11の北側(青森沖~十勝沖)と南側(房総沖)の割れ残りの地震 ~ 2021年2月13日にマグニチュード7.3は3.11割れ残り地震か? 1) 3.11後の余震活動、及び最大余震(マグニチュード7.3クラス)の発生 本震と最大余震との大きさの関係で、一般に本震よりマグニチュードが1小さい地震

(余震)が発生する事が経験的に知られています。ところが東日本大震災(M9.0)の現在

までの最大余震は実は3月11日に本震の約30分後に茨城県沖で発生したマグニチュー

ド7.6 の地震です。これは期待されるマグニチュード8の地震のエネルギーの約1/4 の大き

さであり、最大余震としては小さすぎるのです。そのため、まだ最大余震が発生していな

いと考えられています。

下記は3.11の本震・余震マップ(M>6.5,時系列、2021年2月13日まで)です。






● 地下天気図®解析の前処理として”余震除去”( デクラスター)

3.11東日本大震災のような巨大な地震の後の余震活動は本震の発生による応力場の乱れを解消する活動で、

余震はランダムに発生していると見なしたほうが良い場合が多い。 ランダムに発生した余震などは、個々の地震が独立して発生し、地震の発生が次の地震の発生に影響しないケースで、これらを徐群することをデクラスタリング(デクラスター)という。

地震活動度の解析(SPI法)の地下天気図®解析、RTM,RTL解析では、解析の前処理として”余震除去”( デクラスター)を行っているため、巨大な地震の後の余震活動のモニターには適していません。

図は1993年から2007年までのマグニチュード1以上の東北地方(仙台周辺)の地震活動図です。

A-B断面についてのグラフ。横軸は時間軸(単位は年)、縦軸がAーBの軸について投影した図

*デクラスタ(余震除去)後の積算地震数(縦軸)。横軸が時間軸(単位は年)。余震を除去(デクラスタ)すると発生率がほぼ一様(直線)となる事がわかります。



*地下天気図®解析やRTM,RTL解析ではこのほぼ一様の積算曲線の変化を取り扱って、活発化異常、静穏化異常が顕著に分かるアルゴリズムを使用して解析を行っています。


地下天気図®解析、RTM,RTL解析では、解析の前処理として”余震除去”( デクラスター)を行っている上、

地下天気図®解析、RTM解析での静穏化異常のしきい値は−8以上を静穏化異常とするため 2021年2月13日余震は若干の静穏化傾向にはありました。(上図)



2) アウターライズにおける津波地震の発生

アウターライズという東北のかなり沖合(日本海溝のさらに東側)で発生する大津波を伴う地震です。実際に1896 年の明治三陸地震とペアになるアウターライズの津波地震が 1933 年の昭和三陸地震と考えられており、実に30年以上経ってから発生しているのです。(下記Table参照)このアウターライズ地震が怖いのは、海岸から遠く離れているため、東北地方ではそれほど大きな揺れにならないのですが、突然大津波が襲ってくるという事です。当時は津波地震という概念もなく、今のような気象庁による津波速報も

なかったために、大きな被害が出てしまいました。

3) 3.11事前には発生していなった正断層型の地震の発生(福島沖など)

東日本大震災では沖合の日本列島海溝軸付近(右上の図ではオレンジ色で示した線)で最大50m にも及ぶ海底の東向きの動きがありました。それに対し、東北地方の海岸付近では、5mほどの東向きの動きでした。つまり相対的に日本海溝付近の海底が極めて大きく東向きに動いた(ある意味動きすぎた)のです(overshoot)。このため、従来、東北地方は沈み込む太平洋プレートの影響で東西からの圧縮の力を受けていたのですが、現在は海溝軸から東北地方の海岸の間は 311 以前とは逆に東西方向からの引張りの力を受けるようになったと考えられています(下図参照)。

その証拠に2016年11月には福島県沖で津波警報を伴う地震が発生しましたが、この地震はこれまでこの地域で発生したことがなかった正断層型(東西の引張り力が原因)の地震でした。

311 前には東北地方のすぐ沖合で、このようなメカニズムの地震が発生するとは考えられていなかったのです。このリスクは東北地方の海岸付近で発生するマグニチュード 7.5 から8に達する地震です。東北地方の海岸付近は東西からの引張られている状況で、あたかもシャツが左右から引っ張られている状態で、ボタンが弾けるように東北沖で津波を伴う規模の地震が発生する可能性が高くなっています。一つの可能性は、東北沖での活動が1)の最大余震である可能性も存在します。その場合は3番目のリスク(東北沖での規模の大きな地震活動)=1番目のリスク(最大余震)という事となります。

沖合の日本列島海溝軸付近(右上の図ではオレンジ色で示した線)で最大50m にも及ぶ海底の東向きの動きがありました。それに対し、東北地方の海岸付近では、5mほどの東向きの動きでした。つまり相対的に日本海溝付近の海底が極めて大きく東向きに動いた(ある意味動きすぎた)のです(overshoot)。このため、従来、東北地方は沈み込む太平洋プレートの影響で東西からの圧縮の力を受けていたのですが、現在は海溝軸から東北地方の海岸の間は 311 以前とは逆に東西方向からの引張りの力を受けるようになったと考えられています(下記は正断層ストレスのイメージ図)。


4) 3.11の北側(青森沖~十勝沖)と南側(房総沖)の割れ残りの地震


以下続く。。。。

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